庖丁の研ぎ方には色々と流儀があり、こだわれば砥石選び、研ぎ台の据付、等々、1冊の本になる位の、
情報量となります。ここではごく基本の研ぎについてご紹介したいと思います。
さらに詳しくお知りになられたい方は、「包丁と砥石」柴田書店 ISBN4-388-05843-2 1,800円(お勧めです)
等の書籍をご参照ください。

砥石は使う前に少なくとも30分以上は水に浸しておきます。水を充分に含ませていないと、研ぎの摩擦で、刃こぼれの原因ともなります。安定した場所に水を絞ったふきんを敷き、水を吸わせた砥石を置いて、研ぎにかかります。

 薄刃庖丁の研ぎ方

右手指3本で庖丁の柄をしっかりと持ち、親指を刃の裏の刃元に当て人差し指をその上に当てる。左手の人差し指と中指で切っ先を押さえ、砥石の面に刃がぴったり沿うように 当てる。砥石に対し約60度ほどに傾けて庖丁を当て、砥石全体を使って砥ぐ。 まず切っ先を砥石の手前左下に置き、そのまま向こう側へまっすぐ庖丁を滑らせ、 刃元を右上まで動かす。向こう側へ滑らすときに力を入れ、手前に引いて元の位置に 戻すときに力を抜く。片刃の庖丁は刃の表だけ研げばよい (返りをとる為に刃の裏も数回研ぎます)
1. 2. 3. 4. 5.
かえり  

かえりの取り方
片刃の庖丁を研ぐと刃先がごく僅かに刃の裏に反ってしまうので、これを取る必要があります。
庖丁の刃を砥ぐ時とは逆に、刃の裏を砥石に当てて、砥石の右上の角と、刃元の角が重なるように置きます。
柄を手前に引いて、刃元で弧を描く感じで刃を砥石に滑らせて砥ぎます。

これを2〜3回ほど繰り返す。




 出刃庖丁の研ぎ方
出刃庖丁は、薄刃庖丁のように一度に刃の全面を砥石に
ぴったりと当てられないので、形状に合わせて、切っ先から刃元までを順に、砥石の
面に沿わせて当てるように砥ぐ。左手の人差し指と中指を切っ先に当て、
切っ先を砥石手前右下に置く。右手の親指は刃元に当て、手首を折り曲げるようにして
柄をやや持ち上げ、庖丁を横に向ける。左上に向かって、切っ先で弧を描くように滑らせる。
刃の反りに合わせて砥ぐため、はじめは切っ先の刃が砥石にあたるように、
切っ先を押さえる指に力を入れ、刃元を上げる。左上に押し出しながら、徐々に
柄を下げていき、庖丁の中ほどを経て、刃元が移るにつれて、右の親指に力を入れ、
切っ先を上げていく。刃元を砥石の右上まで動かして止める。元の位置に戻すときは、
力を抜く。これを繰り返します。
1.
2.
3.
4.
5.
かえり  

かえりの取り方
片刃の庖丁を研ぐと刃先がごく僅かに刃の裏に反ってしまうので、これを取る必要があります。
庖丁の刃を砥ぐ時とは逆に、刃の裏を砥石に当てて、砥石の右上の角と、刃元の角が重なるように置きます。
柄を手前に引いて、刃元で弧を描く感じで刃を砥石に滑らせて砥ぎます。

これを2〜3回ほど繰り返す。



 柳刃庖丁の研ぎ方
柳刃庖丁は 切っ先、中程、刃元が順に、砥石の面にぴったり沿うように
動かして砥ぎます。
1.
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3.
4.
5.
かえり  

かえりの取り方
片刃の庖丁を研ぐと刃先がごく僅かに刃の裏に反ってしまうので、これを取る必要があります。
庖丁の刃を砥ぐ時とは逆に、刃の裏を砥石に当てて、砥石の右上の角と、刃元の角が重なるように置きます。
柄を手前に引いて、刃元で弧を描く感じで刃を砥石に滑らせて砥ぎます。

これを2〜3回ほど繰り返す。